大事な試験や、何か大きなイベントの前、もしくは他人から受けるプレッシャーに押しつぶされそうで悩むときはありませんか?
うまくいくかな・・・。
何かプレッシャーに勝つ方法が欲しい・・・。
そんな強い不安を抱え、本番もプレッシャーに押し潰されて失敗してしまうなんてこともあるかもしれません。
現役機長の空おじが、今まで幾多もの試験や審査などをくぐり抜けてきた経験から、プレッシャーに勝つ方法を伝授します。
プレッシャーの正体
プレッシャーに打ち勝つ方法の前に、まずプレッシャーの正体について解説します。
プレッシャーとは、「自分が生むプレッシャー」と、「人から受けるプレッシャー」の2種類がありますよね。
プレッシャーに打ち勝って望む成果を手にしたい場合、どちらも考えを分ける必要があります。
それぞれに分けてプレッシャーに打ち勝つ方法を解説します。
自分が生むプレッシャー
自分が生むプレッシャーは、自分の妄想から生まれます。
私も含め、人間は他人に自分を傷つけられることを非常に恐れています。
自分が大きく傷つく事や失敗することを勝手に妄想し、その妄想を繰り返すことでプレッシャーに繋がっていきます。
私の経験をもとにお話ししますが、本番前に襲ってくるプレッシャーに打ち勝つ方法はありませんし、その必要もありません。
何故なら、本番中にプレッシャーに打ち勝つことができれば成果を生むことができます。
そして、本番中のプレッシャーには打ち勝つことができます。
更に、プレッシャーは妄想から生まれるという前提に立った場合、プレッシャーを本番に感じたとしたら、本番中にも関わらず不要な妄想をしてしまう状態だということです。
その理解を念頭に置く必要があります。
ではその為に何ができるでしょうか?
練習をひたすら反復する
当たり前のようですが、本番と同じことを反復することが、本番中のプレッシャーに打ち勝つ一番の方法となります。
私は機長になる最後の審査が一番プレッシャーに押しつぶされそうになりました。
出社してから足も震え、口もカラカラ・・・、これは果たしてフライトできるのか・・・?と自分で思っていました。
しかし始まって1分で、やることはいつも練習していることであり、「いつものことをやるだけ」という心境になったのをはっきりと覚えています。
本番で成功するための自信が欲しい、と思う事はありませんか?
実は自信というもの自体が妄想であり、自信がつく事は絶対にありません。
私も何千回とフライトを重ねていますが、自信なんてありませんし、プロの目線では自信があると断言する人は危険です。
自信というのは本来妄想から生まれた存在しないものであり、正しい捉え方は「経験」と「慣れ」です。
自信はなどなくても「経験」と「慣れ」さえあれば、目の前のことに集中できます。
「経験」と「慣れ」があるとやっていることがいつものこと、と気づくことができ、その瞬間にプレッシャーは一気に無くなります。
その「経験」と「慣れ」を得る為に、ひたすらに反復練習をして本番でやることをいつものことにする、これが勝負事のプレッシャーに対する一番の秘訣です。
完璧主義を捨てる
完璧主義の人は、失敗を過剰に恐れ、その結果プレッシャーという妄想に陥りやすくなるため、捨てる必要があります。
基本的な考え方として世の中は、テストでも仕事でも100点を取る必要はないはずです。
そして、100点で合格しようが70点で合格しようがその差は周りは本人が思うほど気にしていません。
もしもそれを過剰に気にしている場合、自分に注目しすぎです。
言い方を変えれば、私は100点を取れる人間だ、という妄想です。
「どうせ100点なんて取れないんだから、抑えるところを抑えよう」という気持ちでいて沢山の結果を生み出した方が、トータルではより良い成果が帰ってきます。
勿論100点を取り続けられる能力のある人はそれでいいと思いますが、私を含め大抵の人が凡人であり100点なんて取れません。
更に言えば、失敗してもいくらでも取り返しはつきます。
妄想を捨てる
これまで妄想という言葉を多く使用しましたが、自分が生むプレッシャーに打ち勝つ為に一番効果的なのは妄想を捨てることです。
そもそも人間は普段の生活の中で無意識に妄想ばかりしてしまうものです。
座って一つのことを目を瞑って考えても、5分もしないうちに違うことを考えてしまいませんか?
我々は無意識に無駄な想像を繰り返してしまうので、悪い妄想も繰り返して無意識にプレッシャーを自分にかけてしまいます。
妄想は本来無意味なものだと皆さん理解しているかと思います。
その上で、プレッシャーを感じた時に、「あ!今妄想してた!」と考えるだけでも自分の思考にストップをかけることができます。
本番前のプレッシャーに打ち勝つすべはないと書きましたが、この方法は本番前のプレッシャーを少しだけ和らげてくれます。
人から受けるプレッシャー
自分が生み出すプレッシャーは自分との戦いになりますが、人から受けるプレッシャーも結局自分との戦いです。
嫌な上司や、友人、家族などいくらでも理解できない相手はいるかもしれません。
しかしそれをどう取るかは自分次第になります。