飛行機の揺れやすい路線!国内線ではどこ?

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近年、飛行機を利用するお客様も増加し、揺れやすい路線を国内線において気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

現役機長の空おじは、国内線の路線は何路線飛んだか記憶にないほどパイロット人生の中で飛行経験があります。

そんな空おじが、飛行機を乗りやすい際に揺れやすい路線を、国内線に限定して解説します。

国内線で揺れやすい路線は?

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路線と季節の組み合わせによって、揺れやすさは変わってきます。

飛行機の揺れる原因は様々であり、季節ごとに特徴があるからです。

ただし、毎回該当する訳ではないため参考程度にお願いします。

国内

国内線の短距離の路線だと、比較的揺れやすいと言えます。

強い揺れがずっと続くというより、並程度の揺れが飛行中ずっと続く可能性が高いのが短距離路線です。

短距離というのは、例えば関東から名古屋に飛行したり、九州から四国に飛行するような、新幹線でも気軽に移動ができる程度の国内線です。

理由は、飛行機は上昇に時間がかかるため、上昇中に一定の距離を進んでしまいます。

そのため、短距離の国内線だと高い高度まで上昇することができません。

それにより冬場のジェット気流や雲を回避する為の、飛行高度の選択肢が少なくなってしまうことが一因として挙げられます。

また、長距離路線では一つの低気圧の雲の影響をずっと受けてしまうケースは少ないのですが、短距離では飛行距離が短い分、一つの低気圧の悪天をずっと受けてしまいます。

空おじ機長
空おじ機長

台風のような嵐の日には、短距離路線では嵐から抜けるタイミングがありません。

そのため飛行中ずっとベルトサインを切れない路線は、大体が短距離の路線です。

北海道、北陸路線

冬の日の雪の降る、北海道や北陸路線(小松や能登、富山など)も揺れやすい路線です。

離陸してから5分後、又は着陸15分前ごろに、一時的に強く揺れる可能性があります。

理由としては、雪国は冬の場合は多くのケースで雪雲が低い高度において、上昇及び降下中に広がっています。

そして雪の雲は、揺れが積乱雲を除いた普通の雲よりも大きいです。

また雪の雲は広い範囲にわたって存在しますので、回避が困難です。

その為、雪が降っている場合には揺れやすいです。

東北路線

冬の東北路線で、特に東側にある花巻や仙台、福島空港は揺れやすい路線と言えます。

特に東北からの上昇、降下、離着陸の際に非常に強く揺れる可能性があります。

理由としては、基本的に冬は多くの日で中国大陸からの西風が卓越します。

その西風は強さは日によって変化するのですが、西風が強い日には東北を南北に伸びる奥羽山脈からの気流の乱れを、比較的高い高度から受けてしまうからです。

飛行機は通常風上に山や、建物がある場合気流の乱れによって強く揺れる特性があります。

国内の中でもこの特性を最も受けてしまう国内線の空港の一つがのが、冬の東北です。

沖縄路線

沖縄路線はほとんどの場合は揺れはありません。

理由はジェット気流の顕著な影響を受けづらく、積乱雲も基本的には回避できるからです。

しかし、台風が来ている時の沖縄は非常に揺れやすく、また長時間にわたって強い揺れがある可能性があります。

台風は陸地を通過したり海水温が下がると、台風のエネルギー源である海からの潜熱の供給が弱まる為、勢力が弱まる傾向にあります。

しかし、沖縄の台風は、沖縄に上陸するまで暖かい海の上を、陸地を通らず上陸するものですので、勢力が本州と違います。

沖縄は台風の規模も大きく、また積乱雲も発達を次々に続けている状況が多く、そのような状況下では今まで経験したことがない揺れに遭遇する可能性があります。

ただし、かなりのケースで風速が強く欠航となる場合もあります。

欠航となる風速の目安はこちらで詳しく解説しています。

国内線で揺れにくい路線は?

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揺れにくい、と断言できる路線はありません。

先にも述べましたが理由として、揺れは天気次第だからです。

揺れやすい路線を上げましたが、揺れは90%は天気で決まり、路線で決まるのはせいぜい10%くらいです。

最も強く揺れやすいのは沖縄の台風ですが、どこの空港でも強い台風が上陸していれば、非常に強く揺れます。

日本は世界的にも非常に天気が変わりやすく、特に国内線はその影響を顕著に受けてしまいます。

搭乗される飛行機がその日に揺れやすいかどうかは、天気を確認して頂くのがいいと思います。

飛行機の揺れる理由についてはこちらで非常に詳しく解説しています。

国内線で揺れやすい空港は?

実は飛行機は路線よりも各空港の地形や、風向きの影響を強く受けます。

その為、離着陸に揺れやすい空港というのは確実に存在します。

空おじ機長
空おじ機長

全ての空港を挙げるとキリがありません。

以下、私の独断と偏見で、国内線の着陸できないくらい揺れるワースト空港2つをご紹介します。

仙台空港

仙台空港は路線でもご紹介した通り、冬の西風の時非常に強く揺れます。

更に、その影響を一番受けるのは離着陸の時になります。

加えて仙台空港の滑走路は真西を向いている為、そのような状況でも横風制限の影響をうけず、かなり強い風でも運航ができてしまいます。

その為西風の突風と言える中着陸を試みる場合は、かなり早めのゴーアラウンド(着陸中断)を視野に入れながら着陸をすることが多々あります。

成田空港

成田空港は空港周辺の谷の影響を受けて、北東風、南西風の風が非常に強い時に揺れやすいです。

Youtubeでゴーアラウンド(着陸中断)の動画を見ると、かなりの割合で成田空港が紹介されています。

更に成田空港は交通量が多い為、ゴーアラウンドをした機体が増えると、順番待ちでかなりの遅延が発生することもあります。

空おじ機長
空おじ機長

着陸を試みた飛行機の半分がゴーアラウンド、という日も年に数日は必ずあります。

外国から来る飛行機のパイロットは、成田空港が嫌いかもしれません。

飛行機の揺れやすい路線!国内線ではどこ?まとめ

飛行機の揺れやすい路線を、国内線に限定して解説しました。

  • 気象条件により、短距離、北海道や北陸、東北、沖縄が揺れやすい。
  • 路線の影響よりも、その日の天候の影響の方がはるかに大きい。
  • 非常に強い揺れがあるのは、仙台空港、成田空港。

飛行機が揺れやすい路線をご紹介しましたが、該当する国内線に搭乗される前に不安になってしまう方もいるかもしれません。

実際に路線以外の理由でも、飛行機が揺れる理由は様々にあります。

しかし、航空会社の安全対策や技術の進化により、揺れを最小限に抑えつつ、快適な飛行を実現する努力がなされています。

是非安心して国内線を利用し、目的地への移動を楽しんでいただければと思います。

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