パイロットになる為には長い時間がかかると想像している方も多いかもしれません。
しかし、実はパイロットと名乗るための免許ならば、何年もかからず取れてしまいます。
一方プロのパイロットを目指す場合にはそれなりの年数がかかってきます。
つまり、パイロットとしてどのような事をするかによって、なるまでに何年かかるかが変わって来ます。
今回は現役機長の空おじが、パイロットになるために何年かかるか、ケース別にお伝えします。
自費で最短でなる場合
実は自費で空を飛ぶことだけを目標にパイロットのライセンスを取得するならば、非常に早くパイロットになることができます。
お金を貯めて、エアラインスクールに通うことでパイロットになれてしまいます。
自家用操縦士
最も短い期間でなることができるパイロットの資格が、自家用操縦士で、およそ3ヶ月から半年程度パイロットになるまでかかります。
パイロットの資格は数段階に分かれていますが、この中で最も取得のハードルが低い資格であり、パイロットになるまでの年数は長くかけず、すぐに取得ができます。
ただし、訓練所が限られていること、また費用も1000万円程度かかる為、訓練を受けること自体が非常にハードルが高いと言えます。
なお、難易度としてはそこまで高くありません。
計器飛行証明を持つ自家用操縦士
計器飛行証明を有するパイロットになるまでには、トータル一年程の訓練が必要です。
計器飛行証明を有することで、雲や視界の悪い中の飛行ができるようになります。
逆に有していなければ、天気のいい日にしか飛行できません。
天気の悪い日には、飛行機の計器のみを頼りに飛行する技術が必要なため、さらに訓練が必要ということです。
なお、費用的な観点からも、取得期間の観点からも、趣味のパイロットで計器飛行証明を持つ人はなかなかお目にかかれません。
プロのパイロットを目指す場合
プロのパイロットになるには、ここまでご紹介したライセンスの取得とは方法が変わってきます。
プロのパイロットを目指すためのある程度定められたコースで費用をかけて、パイロットを目指すことになります。
副操縦士
副操縦士は、機長と共に運航の安全を右席で担う役割です。
プロの副操縦士になるための事業用操縦士を取得には、最短で2年程度かかります。
更に計器飛行証明、大型のプロペラ機やジェット機の場合は型式証明という証明を取得しなければなりません。
それらを全て取得して、晴れてプロのパイロットとしてデビューする事となります。
大型機の訓練を始める前に、就活や地上研修、それに多くの座学もこなすため、1からパイロットを目指した人が副操縦士としてのデビューを果たすまでには平均7年程度かかるというのが私的な感覚です。
勿論、計器飛行証明や型式証明を取得しない、写真撮影や農薬散布などのプロのパイロットもあります。
その場合も事業用操縦士の取得は必要ですので、少なくとも2年はかかると言えるでしょう。
エアラインの機長
これは、その人のキャリアパスや家庭の状況、更には時代など多くの要素に左右されるため、一概には言えません。
7年程度でなる人もいれば、30年経ってもならない人もいます。
平均的には10-15年程度と言えるでしょうか。